「盆栽の聖地」として名高い埼玉県盆栽町を調べてみた


生活に潤いと癒しを…

「お金持ちの趣味」「お年寄りの趣味」「渋い」といったイメージを持ち、敷居の高い趣味と思われがちな盆栽。趣味にしている人が周囲にいない限り、目にする機会もないものです。現代ではなかなかレアとなった盆栽ですが、実は埼玉県に盆栽の盛んな地域があるのをご存知でしょうか?今回は、埼玉の盆栽について紹介します。

■ 埼玉には「盆栽町」が存在していた

埼玉県と一口にいっても、とても広いもの。埼玉県全土で盆栽が盛んというわけではなく、埼玉県さいたま市北区盆栽町に位置する集落「盆栽村」で特に盛んなのだそうです。盆栽町は、埼玉県北区の南部に位置しています。平屋のお屋敷が多く、埼玉県屈指の高級住宅街としても知られています。

■ 盆栽町の歴史

では、なぜ盆栽村では盆栽が盛んなのでしょうか?その秘密は歴史にありました。盆栽町は、関東大震災で被災した盆栽業者たちが盆栽に適した地を求め移り住んだことがはじまりとされています。その後、同好者たちが村へ移住し、町は活気づきました。しかし、第二次世界大戦が激化していくにつれて、盆栽は贅沢品となり軍から圧力がかかりました。ときを同じくして、村人たちは徴兵されていきました。かつての活気は失われてしまったように見えましたが、それでも細々と盆栽を続けていたそうです。やがて戦争が終わると、アメリカの調査団が村を訪れた際、盆栽の美しさを認め、海外からも注目されるようになりました。その後も観光客を誘致させつつ、現在に至るのです。

■ みどころ

盆栽村には、下記の5つの盆栽園があり、いずれもさいたま市の伝統産業事業所に指定されているそうです(※2015年現在)。

・ 九霞園(きゅうかえん) 
・ 芙蓉園(ふようえん) 
・ 清香園(せいこうえん) 
・ 蔓青園(まんせいえん) 
・ 藤樹園(とうじゅえん)

いずれの園にも、様々な盆栽が飾られており、見るものを楽しませてくれます。また、盆栽町のおとなり、土呂町には「大宮盆栽美術館」があり、敷地内の庭には様々な盆栽が展示されています。

■ 小さな自然を鑑賞しよう

盆栽は、自然界を鉢植えで表す芸術作品です。小さな鉢植えの世界に大自然を感じるような心を養うために、次の休日には盆栽村を訪れてみてはいかがでしょうか?

埼玉県内に盆栽村があることに驚きました。県内にもまだまだ知らないところがたくさんありそうです。