自動車事故新法:運転厳罰化法、5月施行 てんかんも対象

 危険運転致死傷罪の適用対象を拡大し、酒や薬物などの影響で事故を起こした際の罰則を強化した新法「自動車運転死傷行為処罰法」(昨年11月成立)について、政府は18日、5月20日に施行することを閣議決定した。

 18日は、栃木県鹿沼市で児童6人が犠牲となったクレーン車暴走事故から、ちょうど丸3年に当たる。事故は運転手のてんかん発作が原因とされ、新法成立のきっかけとなった。

 新法には、交通事故の遺族らから「適用範囲が狭すぎる」と批判されてきた危険運転致死傷罪が刑法から移され、「通行禁止道路の高速走行」も新たに対象とする。また、酒や薬物、特定の病気の影響で「正常な運転に支障が出る恐れのある状態」で運転し、人を死亡させた場合に懲役15年以下、負傷させた場合に同12年以下とする規定を盛り込む。

 さらに、政令で「道路」や「病気」の範囲も明記。このうち「病気」については患者団体の要望なども踏まえ、安全運転に必要な認知、予測、判断などの能力を欠く恐れがある症状を呈する統合失調症やそううつ病▽発作で意識障害や運動障害をもたらす恐れのあるてんかん−−などとした。