台風26号:伊豆大島13人死亡51人不明 豪雨で土石流

 

 毎日新聞の午前11時現在の集計では、同町を含め3都県で死者は14人、行方不明者54人。気象庁は引き続き土砂災害、洪水に警戒を呼びかけている。

 警視庁などによると、大島町では約114ヘクタールの範囲で家屋倒壊などが発生しているとみられ、全壊や半壊などの被害は約280戸に上る見込み。遺体(男性4人、女性1人、不明8人)は元町の海岸付近や元町港の海中などで見つかり、身元の確認を進めている。東京都の猪瀬直樹知事は陸上自衛隊に対し、大島町へ災害派遣要請をした。

 東京都町田市では40代くらいの女性が川に流されて死亡。神奈川県二宮町では小学6年の男児2人が海を見に行ったまま流されて不明となり、千葉県成田市でも男性(56)の行方が分からないという。

 毎日新聞の午前11時現在の集計では、栃木県や静岡県などで計43人がけがをし、床上浸水71戸、床下浸水226戸の被害が出た。避難指示が出た住民は3万8000人を超えている。

 気象庁によると、台風26号は16日午前11時現在、時速75キロで宮城県石巻市の東南東約150キロを北北東に進んでいる。中心気圧は960ヘクトパスカル、中心付近の最大風速35メートル、最大瞬間風速50メートル。最大1時間雨量は▽大島122.5ミリ▽茨城県鹿嶋市62.5ミリ▽千葉県船橋市58.5ミリ−−など。大島と船橋では観測史上最大の激しい雨となった。16日午前11時までの24時間雨量は大島818ミリや千葉県香取市351.5ミリなど14地点で観測史上1位だった。

 また、千葉県銚子市46.1メートル、東京・八丈島44.7メートルの最大瞬間風速を観測するなど、関東から東北の沿岸部で激しい風が吹いた。台風26号は日本列島には上陸せず太平洋上を北東に進み、16日夕には三陸沖で温帯低気圧になる見込み。北海道、東北、北陸の沿岸部では17日朝までに多い所で150〜200ミリの雨が予想される。